引き継がれる「甲子園の土」の心

引き継がれる「甲子園の土」の心

 1924年に建設された甲子園球場は、2020年8月1日で96歳になる。名物コラム『追球』や『広角追球』で健筆を振るう、スポーツニッポン編集委員・内田雅也記者によれば、阪神電鉄用度課セメント係の石川真良氏が土を配合し、各地の土を探し歩いて、初代の土が仕上がった。この土を整備したのが、1928年にグラウンドキーパー長となった米田長治氏で、「甲子園の宝」と呼ばれた。その弟子が「甲子園の土守」と呼ばれた藤本治一郎氏で、土守の精神は辻啓之助氏、さらには金沢健児氏〔阪神園芸・甲子園施設部長〕と引き継がれている。驚異的なグラウンド整備力については、著書『阪神園芸 甲子園の神整備』に詳しい。

 阪神球団が全国約3800校の3年生約5万人に甲子園の土が入ったキーホルダーを8月下旬から贈るが、内田記者は、失意と絶望にあった全国の球児たちが次の一歩を踏み出す糧になればと願う。やはり土にこもる「甲子園の心」も引き継がれるものと信じたい。

蛭間俊之