東海地区の私立大学の硬式野球部に所属する大学生が逮捕されたとの報道に衝撃を受けています。出身の県立高校もよく知っていますが、高校・大学の関係者は相当なショック状態です。安易な気持ちで詐欺に加担し、税金をごまかす行為は許されるものではありません。

　実は、プロ野球界でも大活躍された複数の選手が、悪質な節税コンサルタントにだまされ、脱税の罪に問われ、裁判官から法廷で厳しく追及される場面を高校生に紹介しながらお話したことがあります。裁判官は本来は真面目な選手に、「なぜ罪に問われているのか」を日本国憲法と関係づけて説明を求めます。大学を卒業した教養ある選手の返答は、「大人として迷惑をかけた」「ファンを裏切った」「グラウンドでお返しをしたい」などでした。ある程度の時間が経過した後、しびれを切らした裁判官は選手に、「あなたは、国民の三大義務のひとつである納税の義務を怠ったのですよ。わかりますか？」と強い口調で諭します。

　プロ野球では新人研修会の内容の充実にかなり力を入れていますが、大学生にも技術研修会の他に、「日本学生野球憲章」も含めた学習会を地域ごとに、連盟単位ででも積極的に企画する必要があります。高校時代に十分な勉学を終えていないまま大学生になったケースも多いと聞きます。苦労して、秋のリーグ戦開催にこぎつけた連盟の関係者の皆さんには頑張っていただきたいです。

蛭間俊之