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高校野球が一つになった日

「2020年甲子園高校野球交流試合」と正式名称となったが、オンライン方式で7月8日に早めて抽選会が開かれることになった。当初の7月18日では、都道府県高野連が開催する独自大会の日程と重なる出場校があることや、移動手段の早期確保のためだという。

 3月下旬に開幕し、4月上旬まで開催される選抜大会では、出場校の監督や責任教師〔部長〕が、4月1日から他校に異動されることがある。第74回選抜大会〔2002年〕の時も、鵡川高校が兵庫県立三木を破って、2回戦で広島商と対戦したのが、3月31日。小池啓之部長は旭川南へ、山本武彦副部長は函館中部への異動の内示があったが、鵡川の部員は踏ん張った。全力疾走と強打で相手を苦しめた。新年度からの形式的な人事異動にこだわる北海道教育委員会が、野球部員の健康管理を第一に考慮する日本高野連の配慮に従ったため、名門・広島商を倒せば、4月も小池・山本両先生とまだ、甲子園で戦える、と考えたのである。しかし、鵡川は、残念ながら鉄壁の堅守の広島商に、0-1の惜敗。スタンドで観戦した山本副部長は、伝統校の守備を称賛した。

 主将で4番の池田剛基一塁手は、トレイ・ヒルマン監督の北海道日本ハムファイターズに7巡目で指名され、今は球団職員に転身し、ベースボールアカデミーのコーチ、さらに北海道足寄高校の監督に就任。副主将で5番の鬼海將一投手は筑波大学を卒業後、尽誠学園や大阪偕星の野球部寮で献身的な指導の後、今はむかわ町職員として三氣塾舎監、鵡川高校野球部監督を務める。対戦相手だった広島商の監督は、後の広島新庄監督の迫田守昭さんで、鬼海先生の結婚披露宴の際、ご丁寧なご祝電を頂戴したのは本当に感謝しきれない。 

 是非とも、木村保先生のご指導により、21世紀枠での選抜大会出場を決めていた福島県立磐城高校については、高野連のみならず、教育委員会の最大限のご配慮を賜りたい。あの「涙のラスト・ノック」を経験した部員ファーストでお考えいただきたい。

蛭間俊之